デルポトロという化け物

2016年、リオデジャネイロ五輪男子シングルス一回戦、デルポトロは王者ジョコビッチを下すとネットで抱き合い涙を流していた。
その風貌とプレースタイルからは想像できないが、彼からこぼれ落ちる涙を見ると繊細な心の持ち主であり、優しい人間であることがうかがい知れる。

ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro)は1988年生まれのアルゼンチンの選手で高い身長を生かしたサーブと史上最高峰のフォアハンドを武器に圧巻のプレーを魅せる選手である。

もし、あなたがテニスを見ていてジョコビッチ、フェデラーのプレーを見たことがあるが、デルポトロのプレーを見たことがないのならば、テニス視聴の三分の一くらい損しているかもしれない。










ジョコビッチやフェデラーが神と崇められるならば、デルポトロは化け物だからである。
神の領域に踏み込んだ選手がその二人ならば、化け物の化身はデルポトロとカルロビッチと言ったところだろう。
カルロビッチについてはいつかコラムで紹介したいと思う。

戦国武将で例えるならば、60戦無敗の宮本武蔵がジョコビッチならば、片手千人切りの異名を持つ土屋昌恒がデルポトロ、5億年以上前の生物に例えるならばカンブリア紀の覇王アノマロカリスがジョコビッチならば、五つ目お化けのオパビニアがデルポトロと言ったところだろうか(オパビニアの一本の伸びたアームが超特化型攻撃をしそうだから・・・)。

何を言いたいかというと、彼のフォアハンドはテニス史上最高級のストロークで、ひとたび回り込めば彼を優勝へと導くほどの選手であり、とにかくすごいのだ。
事実、2009年の全米オープンではその圧巻のフォアハンドを武器に当時ナンバーワンだったフェデラーを下して優勝している。

ただ、これまで彼が表立ってこなかったのは、手首の怪我に苦しんできたからだ。
全米オープンを優勝した翌年の2010年、手首の痛みから試合を欠場し手術を行っている。また、2014年、2015年と手首の手術を合わせて3度行った(右左手首合わせて)。
思うようなプレーが出来ず非常に苦しい数年間を過ごしてきた。

もし彼が怪我や痛みとうまく向き合うことが出来たのなら、フェデラーとナダルの時代に終焉を打つのは、ジョコビッチでもマレーでもなくデルポトロとなっていたかもしれない。
BIG4ではなくBIG5の時代が到来していたかもしれない。
今年のグランドスラムは誰が取れないのか、という違うテニスの見方をしていたかもしれない。

非常に苦しい、険しい道を歩んでいるのだ。
彼自身が心の奥底まで染みて感じていることだろう。










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